1937年に創設された漁船保険制度は、現在、日本の漁業者にしっかりと定着した、漁船漁業の経営安定に欠くことのできない制度となり、日本の稼働漁船の大部分が、漁船保険に加入しています。
創設当初、日本国民の食卓に欠かせない魚介類を供給する漁船が、非常に過酷な自然条件の下におかれていることから、海難事故による漁船船体の損害を補償する保険制度からスタートしました。その後、時代の推移とともに改善が重ねられ、賠償や漁獲物などの補償を含む総合的な補償制度へと発展しています。近年では、2011年の東日本大震災において、三陸地方を中心とした大津波により約2万隻の漁船が流失するなど未曾有の被害となりましたが、約500億円にものぼった保険金を漁業者に迅速に支払うことにより、その使命を果たすことができました。
この教訓を踏まえて、それまで各地に独立していた全国45の漁船保険組合と漁船保険中央会は、経営基盤を強化し将来にわたって漁船保険加入者に安定した良質な保険サービスを提供するため、2017年に全国組織へ統合し、新たに日本漁船保険組合としてスタートを切りました。
これからも、漁業者の信頼に応える業務を行っていくとともに、統合を行うに際し漁業者の皆様にお約束した、漁業者の負担軽減、漁業者への利益・剰余の還元、充実した保険サービスの提供を今後も堅持しながら、漁業者を第一に考えた制度保険の運営に努めるよう、役職員一同全力を尽くしてまいります。
引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。
日本漁船保険組合
会長理事 三宅 哲夫